マサミチ

ALWAYS 三丁目の夕日’64のマサミチのレビュー・感想・評価

ALWAYS 三丁目の夕日’64(2012年製作の映画)
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初見ですが歳重ねたせいもあるのか3回泣いた。

東京オリンピック景気に沸く高度経済成長の最中で、本当の幸せとは何かと疑問を呈す三浦友和演じる宅間医師の場面。

自分を勘当したと思い込んでいた父親が亡くなり、その本当の気持ちを知ってしまう通夜での吉岡秀隆演じる茶川さんの場面。

そして小説家になりたいとゆう須賀健太演じる淳之介を自分の父親と重ね合わせるようにわざと冷たく突き放して勘当する茶川の場面。

ただしその一方で尺をもう少し刈り込めばすっきりした気もする。役者さんのお芝居を心を鬼にして切る覚悟を監督さんには見せてほしいし、こうゆう人情物なら尚更作り手にはクールさも必要と思う。

シリーズも3作目ともなれば段取りも手際良さが目立ちすぎて、相変わらずVFXは素晴らしいが、お話の流れがテレビのスペシャルドラマっぽくて映画的な高揚感があまりない。

堀北真希演じる六子なら当然結婚式は白無垢姿だろうとゆう期待を裏切って洋風ウェディングドレスにしたのは監督の好みなのか何なのか分からないが(笑)、日本映画史上最高の白無垢姿は小津安二郎監督の【晩春】の原節子だと思うので、堀北真希が引退してしまった今だから余計に思うのだが、是非とも彼女の白無垢姿をスクリーンに焼き付けて記録しておいて欲しかった!

淳之介の売れっ子作家としての姿や六子の子供やら続きを観たい気持ちもあるが、東京オリンピックを頂点にして豊かさと引き換えに人間としての何かを失っていく日本は描きたくない気持ちも作り手にはあるのかもしれないね。
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