アクセルガツキー

ライク・サムワン・イン・ラブのアクセルガツキーのレビュー・感想・評価

4.5
おもしろい!そして、難解な映画だ…。
これ、製作のクラファン入れたんですよね。で、リターンでワールドプレミアを観に行って失望して帰ってきて、それ以来みてなかったんだけど、その時に貰ったDVDを、今みた訳です。多分、この難解さを受け止められなかったのだと思う。
とにかく、ひどい(ほめ言葉)。豊かなものを作るにはサディストじゃないといけないんだなぁ…。ほんまにひどい。ひどいんだけど、可哀想ではない。そんな人間は存在しない。そして正しくユーモラスでもある。おもしろい。すばらしい。…ネタバレになっちゃうかな、おばあちゃんを振り切って売笑に行ったらおじいちゃんに逢う。そして、そのおじいちゃんが今度は…何なんだ、これは?
次から次につながってころがる状況は、まるで悪夢。否、悪夢の方がまだましだ。やっぱりキアロスタミの映画はカフカ的だと思う。肯定するカフカだ。というか、カフカ的な原罪の迷宮の先に肯定を探すカフカだよね。
加瀬亮ってすごいな。スミマセン、作品全体の強度を形作るには、ちょっとヒロインが弱かったように思います。
キアロスタミが今いればなぁ、一体どんな映画を撮っていただろうか?