まーしー

恋の罪のまーしーのレビュー・感想・評価

恋の罪(2011年製作の映画)
2.5
園子温監督の作品を初鑑賞。独特の世界観。良くも悪くも後味が残る作品。

元ネタは1997年の東電OL殺人事件。渋谷のラブホテル街で女性の惨殺された死体が発見されるところから、物語は始まる。

本作に登場する主要な女性は3人。殺人事件を追う刑事、小説家の妻、夜は売春婦の顔を持つ大学教授。それぞれ個性的に描かれているため、インパクトは大きい。
特に、冒頭の水野美紀のヘアヌードシーンは必要だったのか、と思いながら観ていたが、このシーンは後々までボディブローのように効いてくる。
神楽坂恵が鏡の前で全裸になりながら売り子の練習をするシーンも然り。

こうした必要性が解らないような場面が度々登場するが、いずれもキャラクターを強調するために挿入されたものだと後になって気づかされる。
主要な女性3人の個性が際立っているのは、非現実的ながらも、衝撃的な場面が随所に散りばめられているからだろう。
加えて、女優3人の体当たりの演技も光っているからだと思う。

本作は、小説家や大学教授が登場することもあってか、全体的に情緒的かつ文学的。芸術肌でない私の感性に合うものではなかったが、印象に残るものだった。
世間で園子温監督の作品が話題になるのも解る。