ツクヨミ

ひとつの歌のツクヨミのレビュー・感想・評価

ひとつの歌(2011年製作の映画)
1.9
ほぼドキュメンタリーの中、じわっと染み出すような喪失。
杉田協士監督作品。監督の最新作が公開、特集上映で併映されていた本作を見てみた。
まあ本作は植木の仕事をしている男の日常を垣間見るような作品になっており、もはやドキュメンタリーと言って遜色ないセリフの少なさやあえて登場人物たちのことを語らないスタイルは"春原さんのうた"と同様だ。基本固定ショット長回しで人物が動き時にカメラが動く感じもあり、シャンタルアケルマンの影響受けてそうな感じを強く感じる。
だがしかしそんな日常ドキュメンタリーの中、植木仕事の男が写真屋の女性と出会ってから小さな物語が展開されていくよう。すると何か薫ってくるような女性の母親の存在、どうやら二人を結びつけるのはその母親が死んだからというのがじわりと映像で語られる。ラストにかけてセリフで言っちゃったりはするが、あくまでも映像で語るスタイルはやっぱいい。
でも"春原さんのうた"と比べると構成に粗があったりと全てを好きとは言えない面もあり、だが杉田監督のスタイルの一貫性みたいなものがありありとわかってきた気がした。
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