まず、序盤から展開があって作品に引き込まれる
人質の救出活動がろくに行えず、事態に進展が無いまま長期化したことにより、アルゴ作戦の途中で、業を煮やしたアメリカ政府が軍での人質奪還作戦を決定してしまい、偽映画ロケによる救出作戦は中止の運びとなってしまう
うまく物事が運んでいたかと思っていた矢先、窮地に陥るトニーと6人のアメリカ人外交官
彼らは無事にアメリカに生還できるのか
最後の最後までハラハラドキドキで、息を飲む展開が続き目が離せない
とことん、当時の世情を意識した作りになっているのが良かったし、映像も、わざと古めかしい色味になっている
イランの革命運動グループの執念深さもなかなかで、シュレッダーで裁断されたアメリカ大使館の職員全員の顔写真を修復してリストと照らし合わせるなど、徹底している
因みに劇中で出てくる架空映画のアルゴ(ARGO)の意味とは、宇宙船の名前なんだとか
この作戦の重要人物であり人質救出のプロ、トニー・メンデスを演じたベン・アフレックが終始シリアスな表情で笑顔を全く言ってといいほど見せない熱演ぶり
顎鬚と長髪が意外と似合っていたな
「シリアナ」や「ミュンヘン」と並ぶ社会派作品
史実と分かっていても、観る者の気を最後の最後まで抜かせない展開も非常に良かったと思う
エンドロールで、本人たちに凄く似た配役をしていた事が分かる
ここの徹底したアプローチが、アカデミー賞作品賞受賞に繋がったのだと思う
またいつか改めて観たい、そんな事が思える面白い作品だった