頑固で堅物のフロイト。柔軟で幅広い教養があるけど、流されやすくてすぐに患者とデキちゃうユング。病んでいるけど賢くて美しいザビーナ。裕福な出自で、態度こそしおらしいが、明らかに主として君臨するユングの妻。
人間を研究資料として扱い、ときに患者を心身共に丸裸にする立場の者たちが、この映画では逆に、彼らの人間性を露呈させている。
繰り広げられる言葉の応酬は文学のような印象を受ける。ザビーナを演じるキーラ・ナイトレイの顔芸が凄い。ユングが彼女に恋できたのは、あの顔してる時には彼女は彼に背中を向けてたからかな?なんて思ってしまった。笑
ユングもフロイトも、学生の頃、一般教養の心理学の講義を取ったことがあるだけで、少し前にそれぞれの入門書を読んだくらい。もっと詳しい人なら、この作品をさらに楽しめたんだろうと思う。家にあったユングの簡単な入門書を読んでから二回目を観たら、なるほど、セリフに彼らの学説が織り込まれていることがわかり、初見より楽しめた。