キャラが昔のままなら見られたのに。
石ノ森章太郎の『サイボーグ009』です。
でも、キャラクターも物語もほとんどオリジナル。
もっとも、未完のエピソード『天使編』を思わせるものではありましたが。
アニメーションとしては作画の質も高く、アクションシーンも見ごたえはあるのですが、『サイボーグ009』としての魅力には欠けていました。
この作品の一番大きな問題は、核の扱いでしょう。
日本の作品において核の使用は、世界の終わりを意味しています。
したがって、ドバイにおける核爆発を阻止できなかったサイボーグ戦士たちのその後の活躍が、全くの無意味に感じられるのです。
最初、009こと島村ジョーが連続ビル爆破テロリストとして登場することも、敵の洗脳によるものだということが、早々にわかってしまい、ミステリアスな展開が感じられません。
前半の神秘的な雰囲気も、後半、サイボーグ戦士らが赤いスーツを着込んだあたりから安っぽいアクション作品に変わってしまいます。
それにしてもキャラクターの変更は残念。
たとえ物語がどのようなものだったとしても、魅力的で親しまれたキャラクターで描いたほうが良かったのではないでしょうか。
2015/7/10 5:21
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