前から観たかったやつ。
朝鮮戦争末期の“K高地”での戦い。
南北の境界線である現地は熾烈を極める戦場と化し、一進一退の激戦区。
そこにある“疑念”が持たれる一件が起き、内地で燻っていたウンピョ中尉がその真相を掴みに現場に派遣される。
そこで起きる壮絶な戦いの数々に何かを蝕まれていく中、かつての旧友にも出会う。
が、その旧友もまたこの最前線の激しさに昔の姿もない。
この高地が北の領土なのか、南の領土なのか、どちらが占拠してるのか。
この一進一退の攻防を繰り返し、カオス状態であるが故に、軍部としてもどちらも領土を譲れず“停戦協定”も進まない。
しかし、現場の兵たちはそんなことよりも、自分の命と向き合いながら、後ろに下がらず、少しでも前に、、、。
北の兵に変装して紛れて内から崩す反則技を使ったり、とにかく生きるため、勝つために手段を選ばず。
しかし、それでも1人、また1人と減っていく仲間たち、、、。
北の狙撃手の件は意外だったけど、前線基地に遊びに来る子供達含め、これが朝鮮半島の北と南を分かつ戦争の残酷さだということ伝えてくる。
同じ民族で絶えず殺らなければ殺られる極限状態に置かれる最前線の兵たちの混沌とした現場模様。
“クソッタレの浦項”。
短いシーンだが、『プライベートライアン』のノルマンディ的な壮絶さを物語る。
戦争という何かが狂ってる、いや、狂わねば生き延びていけないやるせない恐ろしさ。
とはいえ、北は北で優しさがあるわけではなく、容赦はない。
何が起きても、それを背負いながらも、飲まれず越えねば明日はない。
そんな中の後半、高地への夜間の圧倒的な夜襲。
ここで起きる熾烈な戦闘と人間ドラマ。
韓国の生々しい人間ドラマが、戦争という異常事態の中で生きる兵たちの表情を恐ろしくリアルに剥き出しにさせている。
緊張感もスゴい。こんな状況に置かれたなら人間として大事な何かが欠けていくのも致し方ないのかと思う反面、だからこそ見えてくる人間の尊厳や友情、心理もあるのかも知れない。
ウンピョとスヒョクの関係性とやりとりがとても心に残る戦争ドラマ。
「“あと1日”だったのに」
、、、悔しい。そして、
「停戦協定は12時間後、、、まだ12時間ある、だから最後の総攻撃だ」
、、、なんてことか。この悲壮感。やるせなさ。
これが朝鮮戦争の最前線、戦う意味とは何か。
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