しゅん

演劇2のしゅんのレビュー・感想・評価

演劇2(2012年製作の映画)
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演劇1が青年団内部の組織の在り方にフォーカスされていたとしたら、2は組織が外に向かっていく様子を中心に撮っている印象。前原氏、細野氏など民主党議員との会合、鳥取の小学校での授業と演劇祭、ロボット演劇、フランス遠征など、どこまでも積極的な活動を捉える。フランス人相手でもロボット相手でもオリザの芝居のやることは全く変わらない。変わらないからこそ、それぞれの違いが見えておもしろい。多様性を最もわかりやすく可視化できるのが青年団の芝居なのではないかとすら思ったりした。

「役者は将棋の駒」「役者に心はいらない」はオリザ理論の代名詞にもなっている言葉だけど、演劇で表現しようとしているのはまさに心なわけで、このねじれた「心」の扱いは未だ整理できていない。故にとても興味がある。ロボット・アンドロイドの技術がどんなに進歩しても平田オリザが人間の役者を一切使わなくなることはおそらくない、と感じるのはなんでなんだろうな。

ところで、電車の中でオリザのとなりで居眠りしていた女の子には撮影許可とったんだろうか、思いきりアップで撮られてたけど。
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