『ニンフォマニアック』のジョー(S・ゲンズブール)も本作のマイケル・ファスベンダー演ずるブランドンも、セックスは他者との関係性の一部ではなく、単なる自分の空洞を埋める為の“自慰行為”(または自傷行為)であり、そこには快楽はない。彼、彼女は自分を罰する為にセックスをし、彼らは「罪人(つみびと)」として描かれる。
作劇のテーマ、キャラクターの立ち位置、セックスを求める「理由」などは違うのに、「セックス依存症」「色情狂」の側面をこのように切り取るのは宗教が(キリスト教)が関係しているのだろうか。
スティーヴ・マックイーンのソリッドな演出と青みがかったルックは映画の陰鬱さ(ブルー)にピッタリ。ユーモアがないのは少し辛いけど。
しかしフランク・シナトラで有名な「ニューヨーク・ニューヨーク」がこういう風に使われることに驚いた。
だってほとんどストーリー、まんまなんだもん。
****************
この小さい町でのかなしい思いが
とけて消えていく
あたしはもう一度出直すの
なつかしいニューヨークで
もしあの街でやっていけるなら
きっとあたしは、どこだって大丈夫
すべてあなたしだい
ニューヨーク ニューヨーク
http://youtu.be/EqLMJ4x-6BQ
DVD(12/4/2014)