良き作品でした。
暗く、息苦しい作品ではありますが、兄と妹の平坦でない過去が滲み出てる感じがとても良かったのです。
私には弱々しい雛鳥が身を寄せ合ってギリギリで生きてきたようなイメージが湧きました。
兄のブラントンは潔癖、神経質な性格でプラトニックラブアレルギー。おまけに性依存症。
妹のシシーは自由奔放、恋愛依存症、そして自傷癖持ち。
このようなシンドロームが現れる人は、人格形成時にトラウマを抱えている人が多いらしい。
これは私の妄想ですが、
つまり彼らは両親の愛を上手く受け入れることができない環境にあった可能性があります。
歳も結構離れていますし、ブラントンはシシーを養っていかなければならない状況だったのかも。
それぞれ自立した後、兄に歌手としてステージに立つ自分を見てもらうために久々に会いに来たシシー。
ステージで歌うシシーを見てお兄ちゃんは泣いちゃうんですね。
泣くよ。
まぁでもそんなブラントンは結構なクソ男でもあります。
便座をペーパーで拭いた後水洗レバーを足で踏み、ジイを始める人ですよ。
電車で目を付けた女性を追っかけたり…普通に怖いです笑
彼の外面の良さが可哀想に見えてきた。
彼が変われたかどうかは最後までわかりませんでしたが、人間いきなりは変われません。ゆっくりいきましょう。
私のお気に入りのシーンは、電車が来るのを2人で待っているシーン。
糸くずを押し付け合うシーンです。
観終わった後ちょっと戻してこのシーンとシシーの歌を聴きました。ニューヨーク・ニューヨークのバラードアレンジがとっても良くてちょっと泣いた。
暗いけど、お気に入りの映画になりました。