RIO

バッファロー’66のRIOのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.5
“Billy is back.”

最高に愛おしい純愛ラブストーリー。

僕にとって映画はキャラクターであり、
映画にとってキャラクターはすべてだ。

どれだけ映像が良くても、
どれだけストーリーが良くても、
キャラクターに魅力を感じれなければ意味が無い。

だから、キャラクターにどれほど魅力を感じれたかで作品への評価が大きく変わるし、
キャラクターとメッセージさえ良ければ、他の要素なんてどうだって良くなる時もある(演技は絶対的要素)


その中でも、僕はダメ人間を描いた作品に目がない🤩

周りになぜか馴染めない、
いわゆる”はぐれ者”

理由は簡単、自分自身がそうだったからだ。

小学の時も、中学の時も、高校の時も、
心の底から愛せる仲間がいると思えたことなんてなかった。

幸い、弓道部の主将として部員の後輩からは愛されたが、
同年代は壊滅的😵

話も合わない、波長も合わない、
一緒にいて地獄でしかない、

寂しさを紛らわすためだけに、
無理に話を合わせて、無理に笑って、
できていったのはただの”友達もどき”だ。

そんな孤独に囚われ、ずっと仲間からの愛を欲していた”一匹狼”だった自分にとって、
これほど刺さるキャラクター像はなかなかいない。


それほどに、ビリーとレイラは、
弱々しくて、女々しくて、
この世界ではまともに生きられない
はぐれ者であるが、

人一倍優しく、ピュアで素直な心をも持っている。

そんな2人の関係性は非常に興味深いし、
最高に愛くるしい魅力を感じれる。


“生きられない”

吃音症を患い、誰にも理解されず、相談をする一歩を踏み出すことができず、
この先の未来を生きていけないのではないかと、不安に押し潰されそうになっていた当時の孤独の自分を思い出す。


いままで愛されなかったとしても、
理解されなかったとしてもいいじゃないか、
まだ人生は長い。

これからの未来にすべてを賭けて、
前向きに生きていこう。

そう背中をそっと押してくれる優しさたるや。

ビリーの勇気ある選択には思わず泣かされてしまう😢


そして、それだけでは終わらないのが本作が名作である所以。

なにより、独特な映像演出が最高にクール👍

ストップモーションや俯瞰からのショットを駆使した斬新な画面構成は何度観てもしびれる。

選曲センスも良いし、音楽の使い所も秀逸だ。

気の抜けたオフビートな笑いも最高に笑える😂

笑えば笑うほど2人のことを好きになっていってしまうのが、なんとも憎いよね笑


恋愛映画は個人的に、
「エターナル・サンシャイン」と「her」
が大好きだけど、
今作が1番好きかもしれない。

長編デビュー作にして、
監督、脚本、主演、音楽の4役をこなし、歴史的な傑作を生み出した
ヴィンセント・ギャロって一体…😱

なんでこんなにも素晴らしい恋愛映画の名作を今まで観てこなかったんだろうって不思議に思う。

最高にキュンとして、
最高に心温まる。

オフビートなトーンが故に、
盛り上がりのある展開を期待すると
肩透かしに合うかもしれないが、

恋愛映画好きには是非観ていただきたい一作
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