圧巻の宮沢無双。
どストレートど直球なほどに強く生きる宮沢りえの演技は観ていて本当に清々しいし、家族愛だけでなく、生きていくなら避けては通れない醜い現実の数々も丁寧に描かれているのも素晴らしい点の一つ。
どんなことでも全て受け入れて愛し尽くす寛大な愛を持ち合わせていながらも、残酷な現実はしっかりと見せて立ち向かう強さも見せてあげる。
完璧なまでに情熱的でかつ冷静な親子愛を体現する姿はタイカワイティティの傑作「ジョジョラビット」のロージーとジョジョの関係性を彷彿とさせる。
強く生きろと教え、娘たちの幸せを願う本人はもう長く生きれないという切ない現実とそれを力強く受け入れ立ち向かう娘たちの生き様は本当に美しかった。
ただ、宮沢りえのキャラクターが魅力的すぎて、オダギリジョーや松坂桃李のキャラクターが弱く見えてしまったのは少し物足りないポイント。
彼女の終活に必要なキャラクターだったとは思うけど、もう少し彼らとの関係性に深掘りしても良かったのではと。
特に新鮮さを感じれる作品ではないが、宮沢りえの奥深い演技を観るだけでも価値のある作品だなと思う。
全国民におすすめできる傑作ヒューマンドラマ。