作品を観ているうちにビリーの情けない感じの性格が段々好きになってくる映画だった。彼について知るにつれて行いの不器用さにもなんとなく愛おしさを感じられるようになるというなんとも不思議な感覚を得た(行いに巻き込まれる側はたまったものじゃないと思うが)。
映像の演出が特に印象に残っており、劇中で度々コラージュのような差し込み方で回想が入るが、それがラストのシーンでは妄想の演出として逆転した使われ方をされていたのが面白かった。演出だけでなく作中を通して映像そのものの構図もよくどこも絵になる場面ばかりで見応えがある作品だと思う。