かふぇおれ

バッファロー’66のかふぇおれのレビュー・感想・評価

バッファロー’66(1998年製作の映画)
4.0
ノミ屋との賭けに負け、借金返済が出来なくなった埋め合わせに他人の罪を被って刑務所に入る羽目に。5年の刑期を終え、出所して早速両親についた婚約済みという嘘を隠すべく、主人公はそこら辺の少女レイラを拉致する。

賭けには負けるわ拉致に暴言にやりたい放題だわで救いようがない主人公の育った環境が徐々に明らかになって同情せざるを得なかった……。息子<アメフトの母と色々ヤバめな父の元で育った主人公の孤独感が言動の端々に感じられて切ない。4人でテーブルを囲むシーンのカメラワークとか回想の差し込み方が斬新で良かった。
賭けに負けた原因のスコット選手を殺そうと企む主人公のヒロインと出会って以降の心境変化がなんか見ててほっこりした。作中通してずっとダサい主人公が愛すべき駄目男に変わるタイミングが良かった。作中の会話が好きだけどデニーズのやり取りは他人事ながらなかなか痛々しかった。
「俺を支えてくれ。俺に触るな。」が特に好き。

駄目男に訪れた救いを描いた一方で、主人公の心の隙間を埋めるヒロイン側を不自然な程に掘り下げないからきっとこの物語自体主人公の妄想なのかなとも思ったり。
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