もんみゃーん

千年女優のもんみゃーんのネタバレレビュー・内容・結末

千年女優(2001年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

ほぼ全編に渡って現実と虚構が入り混じる中で最後どうやって締めるんだろうと思いながら見ていたけど、虚構の中の存在として描かれていた謎の老婆が現実の老いた千代子の顔と重なったところで「千代子は若さにかまけて鍵の君を追い続ける自分自身に嫉妬し、恋に恋して一生を終える呪いをかけた」ことが分かり(ここは詠子の千代子への嫉妬とも繋がっている=詠子も信頼できない語り手である千代子の心象世界におけるキャラクターである可能性も否定できない)、ラストの「あの人を追いかけている私が好き」の一言で話が完全に纏まっているのは流石すぎる。鍵=女優(鍵の君を追いかける自分)になるための変身アイテムであったことを考えると、最後の「(あの人に会えても会えなくても)どっちでもいいのかもしれない。」は、鍵の君に会いたいという気持ちが霞むほどに女優としての自分の人生に誇りを持てたという意味とも取れるかもしれない。
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