1973年のピーター・イエーツ監督作品。
ボストン。エディ・コイル(ロバート・ミッチャム)は組織の末端で武器の密売を引き受けるしがない男。彼はニューハンプシャーで受けた有罪判決の司法取引のため取引相手の起こす銀行強盗などの情報を渡すよう当局から提案される。もたもたしているエディに組織は疑いの目を向け殺し屋が動き出す…。
派手なカーチェイスも銃撃戦もスカッとするエンディングも何もない、銃の密売の末端でうごめくどうしようもない人間たちの様子をただただ冷めた目線で描いた異色作。家族が銃で脅されても銀行強盗のシーンですら誰も叫んだり泣いたりしない。エンディングも冷淡なほどの突き放しぶり。
俺も含めこの手の映画が大好きな人にはたまらない作品で、もちろんタランティーノも大好きだろう。劇中のある人物の名前がJackie Brownというのは偶然ではあるまい。"If I don't stop this, I'm gonna be looking at the outside from the inside."(やめなきゃムショ行きだ)という表現が面白かった。
https://twitter.com/syuhei/status/1485627875004805120