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少年ジャックと魔法使いのmitakosamaのレビュー・感想・評価

少年ジャックと魔法使い(1967年製作の映画)
3.4
こちらも初期東映ではかなりの怪作。この時代にこんなダークファンタジーを作ったなんてオドロキだわ。たぶんナイトメアビフォアクリスマスが好きな人なら楽しめる世界観だわ。
ビジュアルもかなり攻めてる。“東洋のディズニー”を目指した東映動画だが、今作のタッチはむしろハンナバーベラに近い。実験的要素も強いんだよね。

ジャックというから、最初はジャックと豆の木だと思ってたが全然違う。北欧神話のベオウルフらしいぞ。

ジャックと動物一行が自動車で爆走してたら、魔女キキに拐われる。
大魔女のグレンデルが支配する城に連れて行かれると、子供達はみんな魔女にされるのだ。
男でも魔女なのか?って疑問はある。
グレンデルを倒し他の魔女を人間に戻す、ジャックの戦いの物語。

一方で話の構成が、起承転結がはっきりせずボンヤリしているので、チョット間延びした感はあるな。
あと肝心のジャックのキャラがイマイチ定まってない。乱暴者なのか優しいのか、設定がブレてる。
キキを急に助け出すのも、ちょい唐突かしら。

ジャックとキキに中村メイコ。ネズミに黒柳徹子。グレンデルに山岡久乃。
みんな声の演技がバツグンに上手いぞ!
特に二役の中村メイコはプロ声優顔負けの巧さだわ。
しかも魔女のキキで二役なんて魔女宅の高山みなみみたいじゃないか。

60年代カートゥーンなデザインに、アバンギャルドなテイスト。ビジュアルだけでも相当良いね。
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