眼鏡の錬金術師

コクリコ坂からの眼鏡の錬金術師のネタバレレビュー・内容・結末

コクリコ坂から(2011年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

宮崎監督2代目による学生運動と青春に焦点を当てたアニメ。

ゲド戦記で盛大にやらかしてしまった吾朗監督だったけど、これで汚名返上したと言ってよいかと。

生活音へのこだわりと適材適所のBGMが全編を通して輝きを放っている。手嶌葵の歌声も美しいし、上を向いて歩こうも感動的。

ジブリお得意のファンタジーではないけれど、カルチェラタンのデフォルメされた雰囲気がすごく楽しく描かれている。
そのカルチェラタンを含めた背景美術も非常に美しい。まさに画面越しに潮風が感じられるかのよう。

そしてなんといってもキャラクターがみんな魅力的。妹や弟、下宿人とか、みんなかわいい。
しかし特筆すべきは水沼先輩だろう。リーダーシップを持つ生徒会長でありながら、さりげなく女子の肩に手を回すことができ、歌もうまく、おまけに空気も読める、まさにハイスペック少年だった。

父はなく、母も仕事で家を空けることが多いなか、メルは長女であり、学業に加えて下宿の切り盛りをしなければならず、どこか大人びてるとこがあるのだけど、久しぶりに会う母の前で子どもに戻るシーンがなんだかいつも泣ける。

ところで戸籍上兄妹なのだとして、後から変更できるものなのだろうか。