コクリコ坂からの作品情報・感想・評価

コクリコ坂から2011年製作の映画)

製作国:

上映時間:95分

3.5

「コクリコ坂から」に投稿された感想・評価


【冒頭10分の映画的巧妙さについて】
松崎海たちが営むコクリコ荘は下宿屋であり、美大生の広小路幸子や医者の卵である北斗美樹、マキさんらが住んでいる。アジのフライを作るまでの冒頭10分は本当に自然で見事。説明的なセリフが一切ない。にもかかわらず、食事の支度や何気ない港南高校での会話を通して1963年当時の日本の生活の中へと観客を一挙に引き込むようになっている。メトロノームをセットする音とともに始まるアバンタイトルのジャズ(大掃除のシーンでかかるジャズも素晴らしい。)で画面の中にコクリコ荘が見えてきて、海が眠りから醒める。

まず海は長く伸ばした髪をツインテールに結い、階段を降りて、キッチンに行き窓を開ける。おかまの中の昨晩から水に浸けておいた米を炊く。点火はマッチである。父の遺影の水を替える。外に出て彼女は旗を揚げる。

『少女よ君は、旗を揚げる。
なぜ。
朝風に想いをたくして
よびかける彼方
気まぐれなカラスたちを相手に
少女よ今日も紅と白の
紺に囲まれた色の
旗は踊る』
Fair girl, why do you send
Your thoughts to the sky ?
The winds carries them aloft
To mingle with the crows.
Trimmed with blue,
Your flags fly again today.

このとき一瞬映るタグボートの少年をまだ少女は知らない。

米が炊けたら、みんなが降りてくる。『空はいま鏡の前よ』『だって髪がまとまらないんだもん』という食卓のなにげないセリフらが、空が恋の季節の真っ只中にいることを暗示する。離れに住む祖母の花がやってくると家族が引き締まる。家政婦のともこさんは源さんのバイクでやってくる。これらの日常の仕組み、リズムが、すべてこの一連のシークエンスに凝縮されていて、たった10分なのに、こういう生活をずっと前からしているこの家族のリアリティが観客に伝わるのである。生活感という名の保守的で平穏なリアリティは、伝えるのが実は一番難しい。大袈裟な事件を起こしたり長いセリフでは、伝わるのは違和感だけだ。その点この映画では、例えば、マキさんがウイスキーを持ってくるとすぐに『チーズ切るわね。』と言ってキッチンへ行く海のきびきびとした行動からも、彼女がこの下宿屋の家事をひとりでこなしているほど頑張り屋で気がつく子であることがわかるのである。


【海の歩調について】
序盤、海は歩幅が大きく、きびきびと歩き、あまり走らない。海が線路の上にかかる橋を一定のリズムで大きく歩くシーン(開始から7分目のショット)でそれがよく分かる。開始から22分のところでも海は歩幅が大きく一定の速度で歩いていることをわざわざ伝えるシーンがある。しかし開始から27分のカットにおいては、その直前に風間俊との接近があったからだろうか、海の歩調が一変して、学校までの通学路を"走っている"。秩序が淡い恋によって乱れていくことが、歩調の微妙な変化によってわかるようになっている。海が学校に遅れかける原因になった絵を描いていた美大生の広小路には見えないもの(返信の海洋信号=恋のはじまり)が見えたのだ。



【映画内に散りばめられた時代のかけら】
①俊の父が見ている野球中継の長嶋茂雄、②家族が並んで見ている白黒テレビ、③その歌番組に出てくる舟木一夫、④カルチェラタンの哲学徒が語る実存主義、⑤朝鮮戦争のLST(日本特別掃海隊)、⑥東京行きの車窓から覗く乱立する工場群、排煙、団地型の住宅、⑦1964年の東京オリンピックの看板などから、舞台は1963年の横浜、桜木町の近くであることが説明的でなく分かるようになっている。膨大な資料を調べて時代考証をしたことがよく分かる。『あんぱんと言ったら木村屋だろう。中村屋も行けますよ常務、なにをバカなこと言っとるんだね、まったく、分かっとらんな。』『当たり前だのクラッカー。』などのコメディリリーフとして挿入されるセリフも素晴らしい。
jaja

jajaの感想・評価

-
最近のジブリ作品はあまり好きではない。コマーシャリズムに侵されて、狙っている感がするのだ。▼なので、これもあまり期待していなかった。封切り時に劇場で観たという娘の評価も今イチだったし。▼だが、これは意外にぐっとくる映画だった。ストーリーは少々、韓流ドラマチックではあるが、何よりも時代考証が素晴らしい。昭和30年代をかすかに憶えている私にとっては、好感持てた。▼若い世代を中心に一般受けしなかったのも、分かる気がする。
ゆう

ゆうの感想・評価

3.8
ジブリの中でもかなり好きな映画
古き良き時代の学生時代
世界観が全て好き

一度体験してみたい笑
るーぺ

るーぺの感想・評価

3.6
疲れた時には「コクリコ坂」を見るようにしてる。
それは内容が特別いいとかそういうのじゃあ無いけど
ただ疲れた時に無性に観たくなる。
もう10回は観ています。懐かしい古き良さが全編を覆っています。
ラストシーンが一番好きです。
武部聡志の音楽と手嶌葵の歌も大好き。
NAG

NAGの感想・評価

3.4
雰囲気がとてもいい映画。

公開時の予告のせいで、くっそ重そう…っておもっていて敬遠。
が、そんなこともなかった。

甘酸っぱい青春の映画。

私の中のジブリのイメージの1つとして、キャラクターの喜怒哀楽の表現や動き1つ1つに本当に魂が宿ってる。っいうものがあって、そこがジブリが好きな理由でもあります。

ですが、今作。感受性ゆたかな10代、青春の話としては、いろいろと表情が大人しかったなぁと。見ていて思わずうーん…と感じてしまいました。

ただ、物語の背景、音楽がとてもよいのと、日本らしい生活音が心地よかった。
横浜めぐりもしたくなる。

あ、、やっぱり。
雰囲気がいい映画だなぁ笑笑
ceci

ceciの感想・評価

-
まっっっっったく、感情移入できなかった。観てるときも観終わったときにも、得るものが何もない映画。で、これが日本アカデミー賞獲得しちゃう日本アカデミー賞の選定レベルの低さ。


・絵がどんなに綺麗なアニメでも、声優とキャラクターの相性、ストーリー、BGMのバランスがとれてなくチグハグだったら、全然面白くない。
・元々こういう風に作りたかったのか、ある材料でここまでしかできなかったのかと考えてしまう。
Mao

Maoの感想・評価

3.9
カルチェラタンが離れない(笑)ジブリの中では自分でも驚きですが指折り。一度目は良く分かりませんでしたが二度見ると沁みる映画。掃除のシーン何度も見たくなる。
すわん

すわんの感想・評価

3.6
いちゃいちゃ。ぽっ。っていやもうお互い好きでしょ。両片思いでしょ。早く付き合っちゃいなよ!
っていうかなり地味じれったい感じだけどそこがとても良い。なんかじわじわキュンとくる。じわキュンてやつですな。
ひたむきで真っ直ぐな青年たちの姿に感動。音楽もいいし、最近のジブリ、大作じゃないけどいいと思う。
>|