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復讐の荒野のodyssのレビュー・感想・評価

復讐の荒野(1950年製作の映画)
3.7
【アメリカ女の原型?】

BS録画にて。
モノクロ西部劇ですが、男勝り(という言葉も昨今は差別用語とされかねませんが)のヒロインが活躍するところが異色。

ニューメキシコで強引な手法で広大な土地を自分のものとした牧場主。おまけに独自の通貨を流通させている。しかし、後継者には、温和な長男ではなく、自分と性格が似ている娘を、と考えている。

この娘がなかなか面白い。父に似て強引な性格ですが、しかし恋愛感情を抱ける男はというと、父が強引に土地から追い出した男二人なんですね。

その辺の複雑な展開が途中までは生きていて、かなりの傑作かなと思えます。

しかし、終盤になるとそれがありきたりの方向に収斂してしまうので、ちょっと惜しい気がしました。

逆にいうと、ヒロインを演じるバーバラ・スタンウィックと並んで、彼女を惹きつけつつも(最初は)拒絶するウェンデル・コーリィがこの映画の中心をなしていると言えます。
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