ルイーズ・フレッチャーがドラキュラ伯爵夫人。バートリみたいに処女の血のお風呂で若さを保っている。が処女払底のご時世というわけでアメリカから人工血液の研究者を呼び寄せる。
　ベルギーとフランス合作の吸血鬼コメディ。あらすじの時点で何処かで見たことのある寄せ集めで嫌な予感だが、流石にひねってあるんだろうと思ったら、ひねりひとつなかった。
　フレッチャーは血のお風呂も牙をむいてガブリもない。代わりに彼女の双子の息子がワーワーふざける。演出家氏少々アート風の気取りも見せるが、笑えなさの免罪になるほどのものではない。潜入刑事役マリア・シュナイダーは、いかにも映画に興味なさげに画面の中を行ったり来たり。まあそうだろう。気持ちはわかる。彼女の上役にジェス・ハーンがいて、懐かしい気になる。
　笑いがあまりに滑りまくるので、一瞬ひょっとしてオフビート狙いかと好意的に見ようともしたが、そんなレベルのものではなかった。学園祭のオチャラケみたいなものだ。ラストのあまりのつまらなさには愕然。落ちにもなっていない。

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原題:「mama DRACULA」フランス/ベルギー合作映画。ハンガリーの伯爵婦人エリザベートがモデル。
ビデオのパッケージには[オフビートなスリラー・コメディ]とある。

ストーリーは単純。道徳の低下で処女の血が入手困難になったドラキュラ婦人が、血液研究者に人工血液製造を依頼。 成功して色々と丸く納まるまでのお話。

まずドラキュラ婦人役のルイーズ・フレッチャーが美しい。これは大事。

血液研究者のブラッド教授が段々壊れ、開き直っていく様子が面白い。もう「ドク！」と呼んでいいですか？

何よりも婦人の息子たちを演じるワンバーグ(ウォンバーグ)兄弟のキャラが際立って濃い。
歩き方やダンスシーンで、ちょこちょこ「モンティ・パイソン」が入る。
パジャマでのシーンは「マルクス兄弟」か！？とにかく2人が面白い。そしてオシャレ。これぞ顔芸！マーク&アレクに心ガッツリ鷲掴み！

一応、村人たちが十字架を手にバトリー城に押し掛けたり、暗闇に浮かび上がる白い顔に赤い唇などホラー要素も整ってはいるが、これはやはりコメディでしょう。

ワンバーグ(ウォンバーグ)兄弟の会話。「君は誰？何をしているの？」「僕は長針。短針を追いかけているのさ」って、コブクロ？『♪短い針が君ならぁ～♪長い針が僕でぇ～♪』by時の足音。

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