深江貞広

機動戦士ガンダム サンダーボルト DECEMBER SKYの深江貞広のレビュー・感想・評価

4.0
1年戦争の末期の物語。
ア・バオア・クーが最期の砦になってしまった劣勢のジオン公国のスナイパーMS部隊のリビング・デッド師団と
地球連邦の旧サイド4のムーアを再興させる事が目的のムーア同胞団との死闘を描く。

ガンダムのシリーズで、ここまで悲劇的に、現実的に怖く反戦を描いた作品はなかったと思われる。

色んな意味で個人的にはガンダムUCもガンダム00を超えた作品。

フルアーマーガンダムを扱いバッタバッタとザクやドムを切り刻むイオ・フレミングと、

戦争により四肢を亡くし、サイコ・ザクと身体の神経系統を結ぶ事で、唯一ガンダムに対抗出来る犠牲を払うダリル・ローレンツ

この2人の主人公のキャラクター設定に加え、子供たちを盾に戦う地球連邦、生存者を敵もろとも自爆しようとするジオン公国など、

一体、どちらに正義があるのか?
全く分からなくなる戦争の怖さ、死はすぐそこにあるという緊迫感が体感出来る程の作品である。

そして、物語の良さもさる事ながら、戦闘シーンの描き方は、UCや00を上回る。

ともかく凄い!
ガンダムを知らない人でも理解出来る程の緊迫さと怖さと戦争の悲惨さを体感出来る1つの作品としての評価はかなり高いと思う。

戦場は腕だけにあらず、運の要素、その場の状況、で、状況が一変する、例え高性能な機械を扱おうとも、状況には逆らえない。

そんな戦場を描いている。

早く続きが見たい。

1つだけ、言わせてもらうなら、戦闘中にジャズが流れるが、物語に大きく関係している部分もあり、

それは味だと思うが、それを嫌う人もいるかもしれないかな。
深江貞広

深江貞広