ゴリアテの憂鬱

湖のランスロのゴリアテの憂鬱のレビュー・感想・評価

湖のランスロ(1974年製作の映画)
4.7
冒頭は、ゆるやかにはじまるブレッソンにしては珍しく、甲冑の騎士同士の生々しい斬り合いから始まりましたが、その画が凄くていきなり圧倒されました。

ブレッソンの映画は、いつも音楽もなく静かなんですが、今作でもその静かな画面から聞こえる甲冑の擦れる音や馬の鳴き声や蹄の音が心地良すぎて、時折ウトウトしてしまいました。

ブレッソン作品を観る度にいつも印象に残るのは、モデル達(ブレッソンは俳優のことをモデルと呼ぶ。素人を起用し〝演技〟はさせない)の「手」の動きや仕草です。
ブレッソン監督の映画は、手から登場人物達の複雑で繊細な感情が伝わってきます。

反復に次ぐ反復表現、そして円環構造。

ブレッソンの映画からはいつも大切なものを学ばせてもらっています。
自分にとって大切なだけで、本当はどうでも良いものなのかも知れないですが。。