爆裂BOX

ゾンビハーレムの爆裂BOXのレビュー・感想・評価

ゾンビハーレム(2009年製作の映画)
4.3
離婚して落込むヴィンスを励ます為男友達七人で仲間の一人のお婆ちゃんが住む田舎町ムードリーへ旅行に向うが、そこは女だらけのゾンビ村だった・・・というストーリー。
「エイリアンズ」のジェイク・ウエスト監督のゾンビ映画という事で予告を見た時から期待していた作品でしたが面白かった!
ヴィンスたちは女性の割合が男の四倍という町ムードリーを訪れるも、町の女性たちは謎のウィルスで全員凶暴なゾンビと化していた。乗って来たバスの運転手キャンディもゾンビと化し、ヴィンスたちは町から出られなくなってしまうという内容です。
登場するゾンビは女性ばかりですが、斧を持った花嫁ゾンビ、二丁ハサミを持つ美容師ゾンビ、歯科医ゾンビ、デカイソードを持つ巨魔女ゾンビ、歩行器ついて進むお婆ちゃんゾンビに元カノゾンビ、道路標識持ってやたら駐禁ステッカー貼る婦警ゾンビに肉切り包丁振り回す肉屋の女店主人ゾンビに男の指を蝋燭代りにケーキを食べるデブのオバサンゾンビ等それぞれしっかりキャラ付けされてるのが面白いです。それぞれが持つ道具から生前の姿を想像できてしっかり武器として機能している所も面白いです。彼女達の暴れっぷりを見るだけでも楽しめます。第二段階へと変異していく所は「デモンズ」っぽかったですね。
主人公達男性陣も女好きのクズやゲイ、セラピー音声で現実逃避する奴やホラーグッズ店営むオタク、いつも遅刻ばかりしてる奴等それぞれ個性的なキャラをしており、一人一人に活躍の場が用意されているのもイイですね。彼らの戦いも銃を持っているのが軍人だけなのでゴルフクラブや玩具を改造した火炎放射機等工夫があって面白いです。生首ラジコンのシーンが好きですね。女装してゾンビをやり過ごそうとするシーンは「ショーン・オブ・ザ・デッド」へのオマージュですね。全員携帯の着信音同じだったり、緊迫した状況下でも仲間が言った冗談でみんなちょっと笑ったり、ラジコンカー操作するときも一応命懸けの作戦中なのに子供みたいにはしゃいでラジコン取り合ったりと、バカなんだけどずーっと仲いいんだろうなぁと感じさせる描写も良かったですね。
ダニー・ダイアにスティーヴン・グレアム、ノエル・クラークとイギリス映画見てたらよく見る俳優陣が楽しそうに演じてるのも良いですね。
英国らしいユルーイノリのギャグも楽しいです。歩行器の婆さんにボールをぶつける所やリモコンを壊してしまう所は笑えました。
それでもホラーだから後半仲間がドンドン死んでいく所はハラハラさせます。皆キャラいいし、前半誰も死なないから「このまま全員死なずに終わるかな」と思ってただけに余計容赦なく感じますし、どういう順番で死んでいくかも予想付かない所ありましたね。
女たちがゾンビ化した原因も明らかになりますが、あの女議員とかか計画についてはそこまで深掘りせずにアッサリしたものでしたね。
最後の熱い展開もイイですね。当初の旅行の目的通り、離婚で落ち込むヴィンスを立ち直らせることには成功しましたし、死んだと思っていた仲間が生きてる事が分って、躊躇うことなく町へと引き返していく所もアツくて良かったです。
ラストは「明日に向って撃て!」のオマージュですね。走り出す男達の笑顔が清々しさを感じさせます。
「エイリアンズ」程ではないですが頭部真っ二つや犠牲者の死体などちょっとしたゴア描写もあります。
ウエスト監督、作風が洗練されてきていますね。英国のコメディなので好き嫌い別れそうですが「ショーン・オブ・ザ・デッド」が好きな人ならオススメのコメディ・ホラーです。