ろくすそるす

マルチプル・マニアックスのろくすそるすのネタバレレビュー・内容・結末

マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)
4.1

このレビューはネタバレを含みます

 ゲテモノ映画の巨匠・ジョン・ウォーターズ処女長編作品。
 人殺しに取り憑かれた巨漢のゲイ、レディ・ディヴァインが見世物小屋の如き「変態ショウ」を開催している。
サドルに欲情する女、全裸でピラミッド、ゲロ男に麻薬中毒者とゲテモノぞろいのショウだったが、実は観客たちを次々と懲らしめ、殺してゆく恐怖のショウであった。
 だが、彼女の情夫であるデイビッド・ギルバート(シャロン・テート殺しの犯人だと思いこまされている)がデヴァインを裏切りはじめて、変態一座は崩壊してゆく……。
 バーのママとして『ピンク・フラミンゴ』のたまごおばさんもやはり登場しているのも、見所。
 途中、ディヴァインの元に「プラハの子」という名の守護天使が出現するちょっと前のくだりが長くて、あくびが出たが、その後の展開がパンク過ぎて、最高!
 後半からは、血で血を洗うの抗争劇となるが、それを自宅のリビングで展開させるので、びっくり。しかも、なぜか、巨大ロブスターが出現して、ディヴァインを襲う!
 ラストの不条理な展開は同姓愛者を許さない時代に対するアイロニーが爆発している。
 ウォーターズの最高傑作は、背徳帝国の極み『デスペレート・リビング』だと思うけれども、こっちはこっちでスキャンダリズムが炸裂していて、たいへん面白かった。