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マルチプル・マニアックスのkahn0nのレビュー・感想・評価

マルチプル・マニアックス(1970年製作の映画)
3.5
当時のタブーを詰め込んだ映画(恐らく)

当時のアメリカ(舞台となった地域)で価値があるものやタブー視されていたものをあまり知らないが、恐らく忌避されたものをこの90分の中に収めたのではないかと思う。

トランスベスタイト、同性愛、不貞行為、犯罪行為、銃、当時の均整的な美しさの基準とは異なる女性像(ブロンド、白人、痩せてない)等。

ジョン・ウォーターズ監督の経歴から考えて、閉鎖的・保守的な空間への抵抗がメッセージにも取れる作品だった。

カメラワークもディヴァインの行動を観察するアングルであり、鑑賞している人たちも周囲にいる「出る杭を打つ側」と同じ目線をキープしている。これを観ている人も結局は、異なるものを排除する「一般しか認めない人」だと言われている気分になるような不思議な感覚で終わる内容。
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