💀利権構造&八百長試合…。💀
色々と人間の「負」の側面と向き合った悍ましいボクシング映画。主演ジョン・ガーフィードが堕落したボクサーを真っ向から演じ、喧嘩っぱやいアウトローのショーン・ペンのような風貌が実に印象的。
監督=ロバート・ロッセン。脚本=エイブラハム・ポロンスキー。二人ともこの頃の赤狩りの対象となった人物だ。そんなにアメリカ社会を悪く描いてはいけないのか?という疑念を抱く。何かと曰く付きの作品でもある。
名手ジェームズ・ウォン・ハウによる陰影の深い撮影が漆黒のムードを醸し出す…。荒廃したスラム街の描写などは特に秀逸。目先の欲望に「負けた」主人公の顛末記。同じボクシング映画の『ロッキー』や『チャンプ』のような単純サクセス・ストーリーではない。
とにかくこの監督(と脚本家)は人間の「負」の側面ばかり抽出して、単純にスカッとしたい観客には不向きな作品と言える。観賞後の後味が悪すぎるからだ。ボクシング映画というよりも、ジャンル的にはフィルムノワールで、そこがすごく自分好みだった一作。☺️
全編、腐臭が立ち込めてくる傑作。🥊💀