オテイレマン

キャタピラーのオテイレマンのネタバレレビュー・内容・結末

キャタピラー(2010年製作の映画)
2.0

このレビューはネタバレを含みます

江戸川乱歩の原作、芋虫は戦争の悲惨さがテーマの話ではあるが、僕は究極の愛の物語だと思っている。

戦争により手足を失くし、食欲と性欲だけの生き物となった男と、彼を献身的に世話をする妻。
原作では終盤、介護疲れで気が触れてしまった妻に眼まで潰されてしまう。

彼女は自分がやってしまったことを後悔して何度も謝り続ける。
妻が医者を呼びに行っている間に男はペンを口に咥えて「ユルス」という3文字を書き残し井戸に落ちて自殺する。

彼に人間としての心と尊厳、奥さんへの愛が残っていたからこそ死を選んだ美しいラストだと思う。

一方この映画では主人公の奥さんへの愛はまったく感じられず、終始ただただ最低な男であり、死ぬ理由も自暴自棄になったからぐらいにしか感じられず、残念だった。

原作の良さが無く、ただのセンセーショナルなイメージを使った反戦映画になっている印象。
オテイレマン

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