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キャタピラーのtosyamのネタバレレビュー・内容・結末

キャタピラー(2010年製作の映画)
4.4

このレビューはネタバレを含みます

たしかにドラマ部分は照明も平坦だったり演技も内容のわりには重厚感がなかったり。するかもしれない。しかしワイドショーや歴史番組の再現ドラマとおもえばなんの問題もない。本作の肝はそのバラエティー性でありコラージュ性である。坂本音楽。軍歌。校歌。絵画。ニュースフィルム。新聞記事。ラジオ放送。ゲージツ家。cg。合成。などなどあらゆる左派の手法が渾然一体となったマルチメディアムービーにほかならない。すくなくとも同系のテレビ局の全番組をスミズミみるより有意義な小一時間。たとえば冒頭の大陸での焼き討ちレイプも主人公キューゾーのものとおもわないほうがよい。こういうこともあったてきな歴史素材とわりきる。そうすることで夫婦生活でのモンタージュがptsdフラッシュバックよりさらに良い意味での不気味にうつる。それらがただ一点。戦争への怒りに焦点。そういう不純物皆無なシンプルなおもいのおかげで種々雑多な要素が奇跡的な整合感を獲得している。色々言われているし自分もまだまとめきれていないが。若松孝二というなの映画監督のdiyパンクロックスピリットはまちがいなくほぼ同時期に亡くなった山口冨士夫同様大雑把だが海外スケールのもの。だった。それだけはいえる。
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