ベルベー

キャタピラーのベルベーのネタバレレビュー・内容・結末

キャタピラー(2010年製作の映画)
3.8

このレビューはネタバレを含みます

グロくてエグくてしんどいけど引き込まれた。日本軍とか戦争とか男性性とかの虚無。寺島しのぶも凄まじい熱演。

のっけから四肢切断され耳も聴こえない、無惨すぎる状態の夫が帰ってくるショッキングな展開。登場人物の悲鳴・絶叫もフルブーストで、圧倒というかドン引きというのが正直なところ。そのドン引き状態が日常になるんだよ、という恐ろしさを乱暴に突き付けられる。

表では「軍神様万歳!」と言いながら「褒賞金出たところで釣り合うかあ?てかこれ生きてるって言えんのかあ?」と滑稽に(酷いことに、本当に滑稽に)ぼやく父親。「軍神の妻なんだから尽くすのが務めです!」と無責任に激励する寄合。何もかもが常識とか普遍性の範疇で狂ってるのが恐ろしい。

芋虫状態の夫が、生きていてももう何一つ良いことないもんだからセックスに執着するのがまた生々しくてどうしようもなくてヤダ。
ベルベー

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