SunO2

ソランジェ 残酷なメルヘンのSunO2のレビュー・感想・評価

5.0
女子校をめぐる陰惨な連続猟奇殺人を扱ったジャッロ映画の名作。舞台はロンドン、ミッションスクールの女子生徒と絶賛不倫中のイタリア人数学教師が主人公。「愛の巣」を用意したりのクズっぷりがグー。嫁はドイツ人の女教師でルックスは女囚モノの看守みたいだが実は純情、健気だったりのバランスが面白い。ダラマーノの映画には「人物紹介」がない。ストーリーの進行が、人物の描写そのものなのだ。タイトルロールのソランジェの登場は唐突だし、出自の説明は必要最小限しかない(更にセリフもない)。我々は、目の前で継起する事象を見つめるのみ。エモーションのやりどころのなさもグー。夫婦愛、親娘愛、陰謀、憎悪の掛け合わせで4の4乗ぐらい膨れ上がって胸が痛い。浴槽殺害シーンが出色。裸も残虐行為も淡々としてるのが良い。最後の言葉とストップモーションは完璧。音楽=モリコーネ。撮影は変名だがジョー・ダマト。
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