RKOリュートン・ホラーの最終作。主演ポリス・カーロフ。原題「BEDRAM(べドラム)」はロンドンに実在した世界最古の精神病院の名前。
18世紀ロンドンのべドラム精神病院は残酷な院長シムズ(カーロフ)が支配。患者の全身に金粉を塗って見世物にするなど悪行を続けていた。街の実力者モーティマー卿の話し相手として雇われているネル(アンナ・リー)はこれに疑問を持ち改善を訴えるが、院長の罠にハマり強制入院させられる。。。
ゴシックな精神病院を舞台にしたサスペンス。ホラー要素は少ないがシナリオがしっかりと構築されていて楽しめた。
オープニングに昔の精神病院が描かれた美術絵画が次々と映し出されムードを盛り上げる。これは18世紀イギリスの国民的画家ウィリアム・ホガース「放蕩一代記」の中のベドラム精神病院を描いた作品群で、実は本作の原作であり同じ構図のシーンが本編で登場する。
ヒロインの顔に凄く見覚えがあり、調べてみたら「サウンド・オブ・ミュージック」(1964)でトラップ大佐の婚約者を演じていた女優だった。悪者ではないが自分に正直すぎてぶつかりやすいタイプと言うキャラ設定は両作ともに共通している。
■ヴァル・リュートン製作のRKOホラー
「キャット・ピープル」(1942)
「私はゾンビと歩いた!」(1943)
「レオパルドマン 豹男 」(1943)
「七番目の犠牲者」(1943)
「幽霊船」(1943)
「キャット・ピープルの呪い」(1944)
「死体を売る男」(1945)
「吸血鬼ボボラカ 」(1945)
「恐怖の精神病院」(1946)