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縞模様のパジャマの少年のtyapiokaのレビュー・感想・評価

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
4.0
見る前に「救いがない」と聞いていたため、最悪の展開をあらかじめ思い描いて臨んだところ、本当にその通りになってしまった。ある意味、歴史として知っているというネタバレがあるからこそ、知らない子ども目線の世界にハラハラしてしまう。子どもと映画を組み合わせることで問題提起は行いやすいのだろう。母が少しずつ壊れていく、姉が少しずつナチに染まる、父が少しずつ恐ろしいものに見える、それを子供目線で見せられるのが嫌だ。煙のにおいや暴行後の顔、重苦しい扉など、言わなくてもわかる病室がうまい。柵越しにそこまで友情を育めるのか、という疑問はあったが、あの環境の中、主人公にとってもあの境界線が救いになっていたのだろう。ちょっと馬鹿すぎる、想像力の足りなさを思うけれど、身近な親を疑うのは子どもには難しいこと。一方、ユダヤ人側の子どもはどうだったのだろう。想像力があったのか。引き返そうとする場面で止めにかかるあたりに、怖さを感じた。子どもに教えられないことなんかするな、といったところか。
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