Joker

縞模様のパジャマの少年のJokerのネタバレレビュー・内容・結末

縞模様のパジャマの少年(2008年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

まず観て思ったのは戦争は何ひとつ正しくないと言うこと。本当に誰も得しない。
特にドイツが行ったホロコーストは一切理解出来ないし、僕ら大人が理解できないないのだから、ましてブルーノら少年がそんな不条理を理解できるはずがないと思った。子供のシュムールが理由や状況が一切分からずに収容されてるのが胸が痛んだと共にホロコーストの理不尽さに呆れてしまった。
当時のドイツにはホロコーストに反対の人もいただろうけど、1番上のヒトラーが腐ってて、いくら反対でも「任務」として果たさないと自分の身が危なかっただろうから結局ホロコーストが”正しいこと”として行われてしまうのも胸が痛んだ。

映画の構成としては、作り手がセリフなどを通して「ホロコーストはダメだ!」というメッセージを伝えるのではなく、出来事や実態をありのままに映してそこから観ている人に感じ取ってもらうようなタイプだったと思う。
あと収容所の責任者のドイツ人のラルフの息子であるブルーノがユダヤ人と一緒にガス室で死ぬ結末は、「自分の子供がガス室に送られたらどう思うのか、ユダヤ人の立場になって考えろ」というドイツ人に対してのメッセージが少なからず含まれていたと思う。

ブルーノのが一切の隔たりもなくシュムールと接して仲良くなっているのを観て、見た目や人種や階級など様々な理由で人と隔たりを作る自分たちも、誰とでもすぐに仲良くなれた純粋な心を持った少年時代があったことを思い出した。

戦争もホロコーストも全て大人の利益や優位思想などの薄汚い心が生んだもので、それによって子供の人生や純粋な心が汚されるのが観てて許せなかった。

「戦争やホロコーストについて考える機会」としてとりあえず人類全員に観てほしいと思う作品だった。
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