れこーど

グッドナイト・ムーンのれこーどのレビュー・感想・評価

グッドナイト・ムーン(1998年製作の映画)
4.3
ルーク(エド)は妻ジャッキー(スーザン・サランドン)と別れ、イザベルと恋仲になった。イザベル(ジュリア・ロバーツ)はその夫妻の子供アンナとベンの子守りをしている。

安易なストーリーではなく、とても練られた脚本で、多くを詰め込んでいながら、物語の稜線はハッキリとしている。
経済的な問題は取り上げたくないのか、誰もが裕福で性格や価値観の違いに強く争点を当てている。
特にこの母親二人の個性のぶつかり合いに絞っているのが、この映画の特徴ですね。

セリフひとつひとつに深い意味があり、一度見ただけではとても全て掴みきれないと思いました。

ほぼ完璧と思われたジャッキーにも『子供に必要とされていたい』という露骨で身勝手な言葉を言わせ、母親のエゴと弱さが垣間見えた。それは子を産みながらも離れて暮らす母親のリアルな心情だと思います。
また、イザベルの少しずつ子供との接し方を学んでいく姿にも好感を持てました。人は少しずつしか変わっていけないのです。それとこれまでに積みあげてきたキャリアを背負いつつ、他人の子供を愛さなくてはならない彼女の葛藤は、このあともついてまわるでしょう。

かなり大人な映画なので、子育てしてからなら、よりおもしろくなる映画ですね。
れこーど

れこーど