垂直落下式サミング

遊☆戯☆王 デュエルモンスターズ 光のピラミッドの垂直落下式サミングのレビュー・感想・評価

2.8
KONAMI版『遊戯王デュエルモンスターズ』初の映画化作品。遊戯が千年パズルを完成させ「友達がほしい」と願う場面で亡霊として現れるモンスターたちのチョイスが渋くて、「モリンフェン」や「エンゼルイヤーズ」「ワームドレイク」など初期遊戯王特有の押しの強い絶妙なデザインのクリーチャーが登場するのはファンとしては嬉しい。今の20~30代の男性が小学生の時分に使っていた勉強机の引き出しにはアイツらが眠っていることだろう。
それはいいのですけれど、劇場用アニメなのに同時期のテレビシリーズより作画が弱く配色にも違和感があるし、所々同人アニメを思わせるようなこけおどしのエフェクトが多く挿入されるのが気になった。昔観た時も、たどたどしい話運びに子供ながらに辟易したことが記憶に残る。ブルーアイズジェットの登場シーンやトゥーンワールドの演出なんかはテレビ版の方が謎の勢いがあって笑えるし、遊戯王アニメの美点である語りのスピーディーさが希薄で、シーンの連なりも散漫な印象。こんなんじゃ…満足できねえぜ…。
悪役の切り札「スフィンクス・アンドロジュネス」は自身の効果で攻撃力6500を叩き出すキングオブ脳筋モンスター。オベリスクに単体で殴り勝てる数少ないモンスターだ。すごいぞ!大型モンスターの圧倒的なパワーで勝ちたい。必殺の一撃にこだわりたい。古代エジプトパワーでフィールを高めたい。そんな人におすすめだ。
そんな「光のスフィンクス」シリーズは、レアカードでありながらなんと三枚ワンコインというロープライスで入手できる。そうと決まれば決闘者諸君!BOOK・OFFに急げ!