kazマックスグローバーレッド

ニューオリンズのkazマックスグローバーレッドのレビュー・感想・評価

ニューオリンズ(1947年製作の映画)
3.6
ルイ・アームストロング。1988年に見た映画『グッドモーニングベトナム』で、DJロビン・ウィリアムズが「偉大なるサッチモ」と紹介して流れる曲 What a wonderful world を聴いた時、子供の頃にTVCMで聴いたことのある曲でこの人が歌ってたんだと初めてサッチモの存在を知った。そんな偉大なるサッチモをフィーチャーした映画『ニューオリンズ』は基本的には白人男女2人の恋愛物語。

娼館やジャズ酒場で賑わうニューオリンズのストーリーヴィルが風紀を乱すって理由で店じまい。職を失ったラグタイムのジャズ、ブルース奏者達は新天地を求めてシカゴへ音楽大移動。ジャスト・イット・アップ(派手に踊れ)!新手のサウンドに感銘を受けるシカゴ市民。サッチモ達はかつてニューオリンズで演奏していた仲間を探してシカゴで再集結。南部で人種差別や不況から逃げて北部で より良い仕事と生活を求めるため100万人以上が移動したグレートミグレーション(黒人民族大移動)がここで再現されている。

シカゴでR&Bが根付いたルーツは、そもそもニューオリンズからやってきた彼らのおかげ。ブルースを敬愛する『ブルースブラザーズ2000』でエルウッド達が逆にシカゴからニューオリンズへ旅をする理由はそういう意味も込められてたんだ。またブルースブラザーズが見たくなった。

クラシックは上品でラグタイムは下品とされていた時代にラグタイムに感銘を受けた白人の娘さんがクラシックコンサートの最後の一曲に選んだのはブルース。袖にいるステージママは泣くわ お固い観客はざわつき席を立つ者も。そんな中、最後までブルースを聴いている客もいて、見ていて何だかほっこりした。もはや音楽に上品も下品もないよ。あ、銀杏BOYZの『あの娘は綾波レイが好き』ってイケてる下品な曲があったか。