ダオ

少年時代のダオのネタバレレビュー・内容・結末

少年時代(1990年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

1990年につくられた篠田正浩監督作品。戦時下に東京から富山に疎開した少年と地元の少年の友情と葛藤を描いた秀作。柏原兵三の小説を安孫子素雄が漫画化したもの。

我孫子さんお亡くなりになったからというわけではないようです、こないだ開局されたBS松竹東急での放送を録画したもの。井上陽水の名曲『少年時代』はこの映画のためのものなんですね。

とんでもない映画で驚きました。青春物語? とんでもない。これは我孫子流の戦争論。ガッツリネタバレ行きますが、疎開した少年が地元のガキ大将の配下に編入されるわけです。しかしそのガキ大将もクラスメイトの反乱にあって別のガキ大将が新たに君臨するわけです。じゃあ東京の少年はどうする? という。

イジメだめ。暴力だめ。みんな仲良くいたしましょう。それが実現できたら素晴らしい世界ですが、そんなこといってたらまたやられるよ、っていうのがこの映画。つい半年くらい前に見ていたら「時っ代遅れぇ」って感じもありましたが、今や1周まわってよほどリアル。

けっきょくは力の強い威張りモンに支配されちゃう現実。が、なぁ、ガキ大将の軍門にくだるんは絶対にイヤ。じゃあどうする? そりゃもうあーた皆まで言わん。
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