あまのうずめ

ディレクターズ・カット JFK/特別編集版のあまのうずめのレビュー・感想・評価

3.7
ニューオーリンズの地方検事ジム・ギャリソンはケネディが凶弾に倒れたと知りバーのテレビで見守る。集まった人たちの反応は二分されていた。間もなくオズワルドが捕まり、後日移送中ルビーに射殺される場面は生中継された。3年後ウォーレン報告書が出るが疑問に思うギャリソンは独自に調査を始める。


▶︎以前観ているがWOWOWの『ケネディ没後60年記念特集』でディレクターズカット版を初めて鑑賞。この作品により1992年議会は一般公開の資料を選出する調査団結法案を可決したり、当初2039年に公開するとされていた資料を前倒しで知ることが出来た等の意義も大きい。

ケネディ政権と言えばまずキューバ危機回避だがオープニングでさらりと触れつつ、当時の対キューバやベトナム戦争の空気も伝え、実際のダラスの映像も網羅している。

オズワルド単独犯なのかは未だ疑問の残るところで、ギャリソン目線での事件の陰謀に切り込む姿は作品として興味深く、オリヴァー・ストーンの巨悪に挑む姿勢がこの作品でも覗けた。

ラストの涙ぐみながらの最終弁論のシーンは演技だけでは無かろうと察するに、締めくくるに相応しかったのを覚えていて、あれは後世に向けて真実の探究についてのメッセージだと思うと胸に詰まされるものがあった。

豪華キャストも嬉しく大作で重要人物も沢山出るが分かり易く出来ていて、入り込んで時間を忘れる作りになっている。