ゆず

アナザー プラネットのゆずのネタバレレビュー・内容・結末

アナザー プラネット(2011年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

MITに合格した主人公のローダは、パーティ帰りに酔ったまま車を走らせていた。「地球そっくりな惑星が接近中!今空を見上げたら青い点が見えるよ」ラジオを聞きながら空を見上げたローダは事故を起こしてしまう。4年後に出所。高校の清掃員として働き始める。第二の地球はあれからますます地球に接近し、今や昼でもはっきり目視できるようになっていた。

てっきりその地球そっくりの星に向かうSFだと思っていたら、サスペンス寄りのヒューマンドラマだった。
テーマは贖罪。後ろめたさからくる仄暗い雰囲気が続く。しかし映像は美しいし、偽りの関係だと知っていても二人の距離が縮んでいく様には微笑ましさも感じてしまう。
終盤までハラハラする展開が続く。地上での話しか出てこないから「なんでSFにしたんだろう」と不思議に思っていたけど、終盤からラストの展開で納得。

お互いが観測されたことで2つの地球の間にズレが生じ始めたのだとしたら、もしかしたらハッピーエンドもありえるのかもしれない(見てから大分たつので初めて観測されたのがどのタイミングなのかは覚えてないけど)。ただ、事故が起きていないとしたら一体どうしてローダはチケットを手に入れるに至ったんだ?という疑問が残るのだけど。個人的には罪を告白したローダと、告白できなかったローダの邂逅なんだと思っているけど、好きなように解釈できて面白いラストだった。

全編通して美しい映像に、行き場のないやるせなさや切なさが漂いっぱなしですごく好きな雰囲気。「逃げ続けてきた自分自身と向き合う(物理)」というラストにSFスゲー!ってちょっとズレた感動を引きずってしまった映画。やっぱSF好きだわ。
ゆず

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