途轍もない映画だった。
とにかくイザベルアジャーニの演技に終始圧倒されっぱなし。
前情報無しで観たので、ヌードもあってか美人妻の浮気的なポルノハブ映画なのか?と思ったら、話が進むにつれてどんどん様子がおかしく不穏になっていく。
この時点で、ポゼッションの意味を「私の所有する男たちの愚行」のような類ではなくシンプルに「悪魔憑き」であると知る。
中盤以降、あまりにも妻が常軌を逸し始めたので、蠱惑された男たちや探偵が追いかけるも、行き着いた先はまさかのラヴクラフト系男子。
そのリアリティとグロさには殺先生もビックリ!
地下道の“あの”シーンは、唯心論者のズラウスキーならではの表現だと思うけれど、監督の求める精神中心の演技をこれ以上にないレベルで演じたイザベルが凄まじすぎる…。
哲学、キリスト教、社会思想、冷戦など様々な二元論的要素が入り混じっている複合的な作品なので、違った視点で何度でも見返したい。