半兵衛

殺しのミッションの半兵衛のレビュー・感想・評価

殺しのミッション(1949年製作の映画)
2.4
女性から夫の保釈金を用立てしてほしいと頼まれた主人公は、納付に成功して釈放されるがその直後に夫は何者かに殺されてしまう…。日本語に訳されたタイトルはアクション映画みたいだけど、実際はミステリー映画。

警察に捕えられた犯罪者の保釈金を本人や家族が用意しても足りない分を出して、保釈金が戻るときに全額支払ってもらう保釈金ビジネスなる珍しい職業に主人公は就いているのに、そういう興味あるシステムにあまり触れずに物語を進めるのが勿体無さすぎる。また主人公が元警官という設定も警察に出入りできる、元同僚が登場する以上特に話で生かされないので通常の探偵や一般人を主人公としたミステリーと変わらない内容に。

話の流れも主人公が依頼人の女性に惚れているのは理解できるけど、肝心の殺人事件よりも犯人とその関係者から大金を巻き上げて意中の女性と逃亡しようとしているためややこしくなっている。更に推理も『三つ数えろ』みたいに主人公が色んなところを回り色々な人と会っているうちに犯人がいつのまにか浮かんでくるので、内容が掴めないまま映画は大団円を迎えることに。これで演出が面白ければ形にはなるんだけどね…。

数少ない見所はギャングではない役を珍しく演じる主人公のジョージ・ラフト、それでもタバコを加えかっこ良くきめる様や裏社会の人間ともクールに渡り合えるその姿はどう見ても堅気の人ではないのに苦笑するけど。

あとエラ・レインズの今でも通用する美貌に思わずうっとり、彼女の凛とした目力も最高。レインズの存在でプラス0.5ぐらい加算されている。
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