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愛する人のvenom9のレビュー・感想・評価

愛する人(2009年製作の映画)
4.2
幼い母が娘を産み、その娘は母を知らないまま。
カレン(演:アネット・ベニング)はローティーンで妊娠出産、否応なくカレンの母は孫娘を乳児院に委ねます。その出来事への後悔からカレンは母ノラと折り合いが悪く、また職場などでも人を避けるような生活ぶり。一方、母カレンを知らず成長し弁護士になったエリザベス(演:ナオミ・ワッツ)は孤独を埋めるかのように性に走りますが、まるで自傷行為のようです。この二人を中心に物語が動きます。
母の逝去後カレンは職場の気の良いオッサン、パコ(演:ジミー・スミッツ、「スターウォーズ」のパドメの養父、ベイル・オーガナ!)と親しくなり、ゴールイン。パコの提案もあって娘を探し始めます。
人を避けるカレンにガンガン迫るが愛嬌あるのでセーフなパコが印象的です。結構カレンに手厳しく毒吐かれたりしますが、しぶといオヤジです。結婚後に娘を探す提案するなど、何気にカレンのことをよく観察、理解していたのですね。
本作ではやや老いたアネット・べニングですが、元々綺麗で笑顔も素敵なのですが、心を閉ざしトゲがある人物をうまく演じています。
ナオミ・ワッツはさすがですね。こういう女性、恐ろしいです。終盤妊娠するのですが、彼女が本当に妊娠しているときに撮影したらしいですね。
互いを希求するも、なかなか交わらない母と娘ですが、ついに意外な形で繋がります。それは悲しく、希望もあって、異なる感情が衝突する観ているこちらは泣き笑いです。
米国の作品もそうですが、韓国の作品でも里親里子が描かれるケースが多いです。両国とも共通するのはキリスト教系が最大勢力だということですね。本作のように若すぎて養育困難かつその親は子の将来を憂いて、だったり経済的な事情が背景にあったり、事情は様々複合しているのでしょうけど、宗教上の禁忌として堕胎が過去違法だったり、法的に認められたとて宗教上社会通念上は忌み嫌われたりで産まないことの選択事例が少ないのかな、と思いました。
デリケートな問題ですし、ここで堕胎の是非を語るつもりはありません。
(U-NEXTで鑑賞)
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