グラビティボルト

アンソニーのハッピー・モーテルのグラビティボルトのレビュー・感想・評価

4.2
これでW・アンダーソン全部観れた。
ど田舎のテキサスという場を活かして、ガンガン情感のあるロングショットを撮っていくが、手前のシーンの感情を一切持ち越さない性急なリズムがドン・シーゲル辺りを思わせる。
デビュー作で既に豊か。

台詞回しも素晴らしいよね。
「貴方抜きでこのヤマを踏ませて頂きたいと思います」とか、
「あいつをカタギから解放しなくては!」とか、
「ワシの腕も鈍ったわ・・・」
「鈍るほどの腕があるのか!」とか。細かく笑わされる。
これで編集がユルかったり、過度にお洒落だったりするとE・ライト的なオタクノリに接近すると思うんだけど、そういった弛緩からは一切振れずストイックに構成されてるギャップが凄い。
終盤のグダグダな強盗計画の顛末は爆笑必至。