よーだ育休中

バックドラフトのよーだ育休中のレビュー・感想・評価

バックドラフト(1991年製作の映画)
4.0
殉職した父の背中を追い、シカゴ消防局第十七分署に勤める消防士兄弟の葛藤と、謎の放火魔による連続殺人事件を描くヒューマンストーリー。


音楽が抜群に良い!
ライオン・キングやパイレーツ・オブ・カリビアンの音楽も手掛けているアカデミー受賞作曲家・Hans Zimmerの音楽がめちゃくちゃ良い。特に、消防士達が命を掛ける戦場に出動する際に掛かるメインテーマは鳥肌必至!


映像への拘りが凄い!
消防士の活躍を描く今作では《ド派手な大規模火災》と《事件に絡むバックドラフト現象》の2種類が上手く使い分けられている。

Brian(William Baldwin)の初現場となる服飾工場での火災や、ラストシーン化学工場の大規模火災は迫力満点。リアリティよりも派手さを追求した視覚効果によって炎がまるで生きているかのように這い寄り、噴き上がり、襲い掛かる。煙よりとにかく炎!炎!炎!

一方のバックドラフト現象では、スーッと白煙が不気味に吸い込まれた刹那、爆炎と爆発が一瞬で周囲を吹き飛ばす。マスタング大佐の焔が脳裏を過ぎる迫力。どちらも演出に力が入っていて見応えがある。


人間ドラマが刺さる!
強引な性格で問題を起こすこともしばしばあるが、直向きに炎と戦い隊長を勤める兄・Stephen(Kurt Russell)。
幼い頃、父の死を目の当たりにした事から、消防士への憧れと炎を恐る気持ちの間で葛藤する弟・Brian。
絶縁状態だったMcCaffrey兄弟が、兄のピンチに弟がトラウマを克服。和解するクライマックスは名シーン。豪火と奮闘する弟を横目に"俺の弟なんだぜ、凄いだろ…。"とこぼす満身創痍の兄。

連続放火犯の正体と犯行動機も、犯人に対するStephenの対応も、人情を感じる。お互いに命を掛けて戦ってきた漢の絆を感じる。


バックドラフトのとばっちりを受けた新人消防士や、悪者議員の告発に加担して(おそらく)無職まっしぐらになるBrianの恋人が置いてけぼりにされた感は残る。損な役回りでしたね…。