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サランドラ IIの消費者のレビュー・感想・評価

サランドラ II(1984年製作の映画)
3.6
・ジャンル
スラッシャー/ホラー

・あらすじ
70年代半ば、軍の核実験とされていた砂漠に迷い込んだ一家がその地に巣食う食人一家に大半が殺されるという事件が発生
数少ない生還者の1人、ボビーは8年の時が経った今も尚トラウマに苦しみ続けており所属するバイクチームのレース参加への同行を断念
それはレース会場が事件の現場である砂漠に程近い位置にあった事が理由だった
チームの一行はやむ無く彼抜きで会場へと向かうがその最中、砂漠地帯へと迷い込んでしまう
異様な空気が漂う中、廃墟で彼らがガソリンや役立つ道具を探していると事件は起こる
8年前の事件で死んだはずの食人一家の息子プルートがボビーの恋人レイチェルを襲撃したのだ
何を隠そう彼女の正体は一家に搾取され続けた末にボビー達カーター家の味方となった娘ルビーだったのだ
彼女は全てを仲間に明かし警告
しかしまともに聞き入れられず、更にバイクが1台盗難に遭った事からチームのメンバーであるロイとハリーが犯人を追っていき…

・感想
軍により核の実験場とされた過去のある砂漠地帯に巣食う食人一家が迷い込んだ者達を襲うという内容のウェス・クレイヴン監督によるシリーズ2作目でオリジナルの完結編

前作は実在したとされるソニー・ビーン一族をモデルとした食人一家の猟奇性が前面に出ていた
対して今作はその生き残りであるプルートと殺された父親パパ・ジュピターの兄であるリーパーが逃げ出した娘レイチェルことルビーへの報復を兼ねてバイカーチームとメンバーの恋人達に襲い掛かる物語
なのでゴア描写こそ前作より僅かに直接的にアップデートされているものの食人要素がほぼ見られずそこが物足りなかった

またバイカーチームのロイの恋人で主人公にあたる女性キャスは盲目でその分、聴覚と嗅覚に長けているという設定になっているんだけどそれが恐怖演出にもう少し活かされていると良かったかなぁ、というのと家族との因縁があるルビーも活躍不足で最期もよく分からないまま終わってしまったのも残念
加えて食人一家のプルートとリーパーがそれぞれポンコツ過ぎて前作の様な恐怖があまり感じられなかったのも惜しい

良かった点はプルートが相変わらずどこか憎めない間抜けなキャラのままだったりボビーの愛犬ビーストがまた大活躍だったりという前作を踏襲している部分とゴア描写の適度な塩梅くらい?
ウェス・クレイヴン監督が続投している割には正直期待外れだったというのが正直なところ
つまらなくはないんだけどスラッシャーとしてもホラーとしてもコメディとしてもどこか突き抜けないというか…
それこそ確実に影響を受けているであろう似通った世界観の「悪魔のいけにえ」みたいにシュールさと猟奇性を上手く両立したぶっ飛んだ内容だったらもう少し楽しめたんじゃないかなという感じ
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