先日、「ファントッツィの雲」を見た。何をやってもダメな映画の主人公の頭上に雨をもたらす、ピンポイント雨雲のことだ。1975年の（バカ）コメディ映画『ファントッツィ』の中で、それは待ちに待った休暇に限って激しい雨をもたらす鉛色の「サラリーマンの雲」として登場し、主人公ファントッツィの後を執拗に追いかけることでイタリア人に親しまれている…。それが現存するのをこの目で見た感動といったら！

この映画を見るだけで、イタリア人のユーモア感覚というものを理解することができる。例えばタイムカードを時間内に刻印し、終業時間と同時に帰宅することに命をかけるイタリア人。そういう外から見た「働かないイタリア人」という典型的なイメージ（実際に、そういう人も存在するけど）を大げさな笑いに変える自己批判精神は、いかにもイタリアらしい。「平日はピーカン晴れなのに、休日に限って雨」という感覚もイタリア的で、「日曜は家でごろ寝」とかいう人は存在しないのである。「イタリア人の間違った日本観」に関するエピソードもある。70年代の日本観だから、今よりもずっと偏ったものであることは当然だが、それにしても「箸で食べないと手をぶった切られる日本食レストラン」とかえらく過激。

いくつものバカなエピソードが寄り集まった「ファントッツィ」シリーズ（映画は全10作！）は、イタリア人にとても愛されていて、誰もが「お気に入りのエピソード」を一つや二つ、挙げることができる。ちなみに、私は２作目の「戦艦ポチョムキン」と「サッカー観戦」。

2016. 44

一人だけセカセカ働いて😥

天才なのよ、これがイタリア人なのよ

• #100filmitalianidasalvare
• #ばっふぇっと
• #いたりあん