前2作は私たちの生きる世界と地続きの未来だったが、『サンダードーム』では大きな隔たりを感じさせるような別世界が舞台となり、ファンタジー的要素が一気に増している。マッドマックス・シリーズを見ながら、ずっ>>続きを読む
正直『マッドマックス2』が『マッドマックス』の続編たり得る要素というのがメル・ギブソンと愛車インターセプター、カーアクションのみという感じがするくらい、世界観にもストーリーにも思い切った変更を加えてき>>続きを読む
低予算を逆手にとった設定・演出でありながら、アクションに手抜きがない。あえて舞台を未来に設定したとのことだが、いわゆるSF映画の突き抜けた感じはなく、肩すかしを食らうポイントではある。それでも、ヨーロ>>続きを読む
『ブレードランナー2049』がとても良かったので、元祖を初鑑賞。順番が違ってけしからんとか、そういう古めかしいことは言わないでくだせえ。結果、デッカードの運命を知っていながら見るというデメリットはあっ>>続きを読む
バン!バン!という、乾いた銃声がいつまでも耳に残るミニマルなデンマーク製西部劇。この手の映画をあまり見ないので、私にとってはとても新鮮だった。特に、ヨーロッパの様々な国から新大陸へやってきて、アメリカ>>続きを読む
お手本のような超低予算短編映画の雰囲気がたまらない。お手本のようなストーリー展開、お手本のようなアングル、お手本のような演技のわざとらしさ、お手本のようなキャラクターの造形…。それなのに、らしさが出て>>続きを読む
ティム・バートンの初監督作品。記念すべき6分間のストップモーションアニメーションは、ホラー映画の第一人者にしてバートン憧れの人物ヴィンセント・プライスに捧げられた、怪奇映画への愛に溢れた作品だった。7>>続きを読む
『チャーリー・モルデカイ』があまりにあまりにだったので、似た路線の作品をもう1本。イギリスとアメリカを行ったり来たりするあたりは、この手の映画には十八番なのだろうか(そういえばホイッスラーの名画が絡ん>>続きを読む
暇をもてあましたスターたちが税金対策に作った映画、という感じ。唯一の笑えるポイントが「もらいゲロ」とは。芸術作品をあつかった犯罪モノは好きだけど、時々こういう駄作が出るのが残念。だいたい下品だし、下品>>続きを読む
ソフィア・コッポラの描く日本よりも、どんな大監督の思い描く日本よりも、私は新海誠の、というか正確には日本に住み、そこに生きる人によって描かれた日本が断然好きだ。飛騨の美しい自然はもとより、あの一瞬で飲>>続きを読む
「都会の生活に疲れた女2人、すべてを投げ打って憧れのトスカーナを旅して、若いイタリア男とワインと美味しい料理に舌鼓を打つうち、再び生きる力を取り戻す(この手のイタリア観は、もう飽き飽き!)」というプロ>>続きを読む
過去に見て、とても面白かったので初見の人に付き合って再鑑賞。前回は、万華鏡のような夢の世界に、ただただのめり込むばかりだったのが、今回は様々な夢を見せつけられているだけのような気がしてしまい、初めて見>>続きを読む
マクロコスモスからマクロコスモスへの移行が見事なオープニングから、ラストまで勢いで突っ走るホラー・ミュージカル。その素晴らしさ、馬鹿らしさ、そして楽曲の陽気さは『ロッキー・ホラー・ショー』並み。
冴>>続きを読む
何年も前に『攻殻機動隊』を読んだ時にはかなりハマった記憶があったし、実写版『ゴースト・イン・ザ・シェル』も面白かったので、だいぶ期待して見たのだけど、順番が悪かったのかな、思ったほど好きではなかった。>>続きを読む
『セブン・ビューティーズ』というタイトルから、グレース・ケリーやマリリン・モンローのような7人の美女が男たちを振り回すロマンチック・コメディーかと思っていたら、男臭いジャンカルロ・ジャンニーニの顔芸が>>続きを読む
己というものを持たぬ主人公が、時流に乗じて「普通」を追い求めたが故に他人を不幸に巻き込む物語。アルベルト・モラヴィアによる『孤独な青年』を原作にしており、原題は小説・映画共に”Il Conformis>>続きを読む
えらい久しぶりに映画を見ましたよ。
このデジタル全盛期においてフィルムにこだわるクリストファー・ノーランの美学に心の奥底から共感。良質な脚本・撮影・編集があれば、デジタル処理などなくとも没入感のある>>続きを読む
まさかの1作目未見で申し訳ないのだけれど、本作の圧倒的な世界観を目の当たりにして、いま慌ててオリジナルを見る機会をうかがっているところ。クラシックと近未来、有機的と無機的とが上品に入り混じり、好きな人>>続きを読む
数年前に制作されたドキュメンタリー映画『非現実の王国で ヘンリー・ダーガーの謎』を思い出させる、謎めいたアマチュア写真家ヴィヴィアン・マイヤーの生涯。名前の正確な発音さえ不明なダーガーと、様々な偽名を>>続きを読む
タイトルの渋さからネオレアリズモの鬱映画かと思って長いこと躊躇していたのだが、シルヴァーナ・マンガーノの豊かな太股に勇気をもらい、見ることにした。ふたを開けてみれば、豊満な尻、豊満な胸、豊満な太股、そ>>続きを読む
サントラを大学時代に聴き倒していたにもかかわらず、いつか良き時を見計らってじっくり見たいと思っているうちに、公開から15年近く。その15年の間に世界は大きく変わったし、周囲の環境も大きく変わって、外国>>続きを読む
爆発的な人口増加は地球の存続にとって由々しき問題であり、これまでも自然災害や疫病などによって増えすぎた人類が淘汰されることにより均衡を保ってきた、といった考え方は目新しいものではなく、古くはギルガメシ>>続きを読む
パンテオンのシーンで、トム・ハンクスたちが深刻な話をしている背景にチラチラと見えるバール「tazza d'oro」(タッツァ・ドーロ、コーヒー豆を蒔く黒人の少女の図像が目印)のカフェ・エスプレッソは本>>続きを読む
劇中の「スコトマ、先入観が目を曇らせる」というサー・リーの言葉にあるように、私たちは様々なものを先入観に基づき見ている。世界の歴史を揺るがす謎に迫った『ダ・ヴィンチ・コード』は、そうした先入観に横槍を>>続きを読む
「これは2人の美しいラヴ・ストーリー」という言葉にすべてが集約されている。
それがすべてなのだが、90分弱のドキュメンタリーの中に、実に様々な物語・問題提起が込められていて、第1作以上に見応えのある>>続きを読む
自分の出来る範囲で、自分の審美眼にかなった、好きな作品をコレクションする。たったそれだけのことを30年以上も続けてきた中産階級のヴォーゲル夫妻が、他に類を見ない現代アートのコレクションを作り上げた「奇>>続きを読む
見終わった後に、どれだけアルゼンチン人がいかれてるか、という話で盛り上がった。私の知ってるアルゼンチン人はマトモな方ばかりなのだが、いろいろ聞いてると、この映画に出てくるような人がいてもおかしくないの>>続きを読む
マーティン・スコセッシが1988年に原作と出会って以来の念願を実現させたという本作が、28年前ではなく、信仰、人種、セクシャリティの違いによる対立が激化している今という時代に公開されたことは、とても意>>続きを読む
グリフィンドール寮は10点減点!
一言でいうと、もったいない。もっと良いラストにできただろうに。最初に『賢者の石』のレビューに書いたように、特別な思い入れのある作品ではないけれど、しかし原作を読了し>>続きを読む
嵐の前の静けさ、だろうか。派手な謎解きやアクションの連続から一転、お尋ね者ハリーは大自然の中を転々とする。これまでの作品と比較して地味と言われる本作だが、ちょうど良い息抜きとしてエモーショナルな部分を>>続きを読む
これは…映画版だけの人は原作を読んで(監督もな)!
冗談はさておき。随分とストーリーを省略し、改変し、まとめているために別物となっているから、逆にスローな展開になっている。いつも駆け足で展開してきた>>続きを読む
怒れるハリーのダークサイドが炸裂する第5巻。これまで「賢者の石」や「秘密の部屋」など、クリアすべき明確な困難があり、わかりやすく展開してきた物語も、ヴォルデモート復活が確実(仮)となった今回は、「予言>>続きを読む
小説や漫画が映画化されると、必ず原作が先か、映画が先かという問題が出てくるが、私は断然原作先行派。基本的にラストが分かっているものを見直す(読み直す)のに2時間は我慢できるけど、数日は我慢できない、と>>続きを読む
まだまだ子ども向けファンタジーの域に留まっていた前2作から、主人公たちの成長に合わせ、ぐっと大人っぽくなった本作。監督もクリス・コロンバスからアルフォンソ・キュアロンにバトンタッチされ、よりダークな魔>>続きを読む
シリーズ序盤で2時間半以上の上映時間は、やはり長い。とはいえ、序盤のダーズリー家でのお決まりコントは欠かせないし、熱烈なファンのいるシリーズである以上、ざっくりと削ってしまうわけにもいかないから、映画>>続きを読む
バリバリのリアルタイム世代というわけでもなく、思い入れのあるシリーズではないのだが、原作・映画版共に、中途半端なところで投げ出していたので、大人ならではのイッキ読み、イッキ見をすることにした。原作を読>>続きを読む