酢

金環蝕の酢のレビュー・感想・評価

金環蝕(1975年製作の映画)
3.5
昭和の名優らによる渾身の「悪いオッさん」芝居を2時間半も楽しめるフルコース。濃ゆすぎる。そしてそれが『ウルフ・オブ・ウォールストリート』ばりのスピード感で進む。全く飽きなかった。

〈良かったところ〉
・『水曜日のダウンタウン』に出てきてもおかしくない宇野重吉の歯抜けジジイ演技
・西村晃の接待どじょう掬い踊り(されても全く嬉しくないと思う)(「あえて面白くなくして、そこにストップモーションをかけて逆に可笑しみを出させる」という作られ方をしているのだけども、もっと硬派な映画かと思ってたからこれを見たあたりからちょっと心が開けてきた)
・ポーカーフェイス狸オヤジの永井智雄が次第に立場を崩していって、最終的に料亭でやけ酒をして記者相手にペラペラと情報を喋っちゃうところ(かわいい)
・仲代達矢のキモ官房長官演技(キモい)
・宇野重吉と仲代達矢が対決するところ(ヤクザ映画なら切った張ったになるのに、この映画だと料亭での化かし合いになるのが面白い)
・大滝秀治が検事総長に要請を出すところ(一見バランスを取っているっぽいトーンなのに無茶苦茶を言っているのが良い)
・三國連太郎が2000万円を懐に収めるところ(三國連太郎っぽい)
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